平成17年5月14日


社団法人 日本経営工学会 会員の皆様へ

(財)日本学会事務センター破産に伴う諸問題の解決に向けて

社団法人 日本経営工学会
第27期理事会会長 黒田 充

 会員の皆様にはますますご清祥のこととお慶び申しあげます。

 昨年8月に(財)日本学会事務センターが破産し、事務局業務を委託していた当学会も大きな影響を受けました。第27期理事会は、事務局不在の下で、「破産」に伴う残務処理を進めながら、日本経営工学会論文誌および経営システム誌の発行を行い、秋季研究大会の開催に全力を注ぎました。9月には新事務局を立ち上げ、1日も早く通常の事務局業務ができるよう再建に全力をあげました。
 その途上で、旧事務局の職務怠慢により、第25~27期への理事会交替時に法務局への法人登記が行われていなかったこと、第24~26期理事会の下での4回にわたる定款変更に際しいずれも文部省(または文部科学省)に定款変更申請が出されていなかったことが明らかになりました。そのため、法人としての口座開設や郵便発送契約等において混乱を極めました。事務局再建が著しく妨げられたのです。
 5月14日の評議員会および総会では、事務局移転を主な内容とする定款変更を議決して頂きました。これでようやく定款変更申請を行うことができ、学会にとって最も重要な登記と定款の問題を解決する目処が立ちました。厚くお礼申しあげます。
 第27期理事会で取り組んで参りました諸問題のうち未解決の問題がまだ残っておりますが、決着するに至った「(財)日本学会事務センターへの預け金による損失」についてご説明申しあげ、会員の皆様のご理解とご支援をお願いする次第です。

(財)日本学会事務センターへの預け金の内容と今後の対応策について

 従来、学会への入金はすべて日本学会事務センターの口座へ振り込まれて運用され、その剰余金が学会の通帳へ振り込まれる運用になっていました。そのため、「破産」の時点で日本学会事務センターの口座に残されていた金額2,848,782円がいわゆる「学会預け金」として回収不能な一般債権となり、学会の損金になりました。5月14日の評議員会および総会では「特別損失金」として報告し、ご承認頂きました。
 理事会は当初、この預け金を368,973円と見積り、会員の皆様に「資産への影響は最悪の場合でも数十万円規模に止まり、大半が保全された状態にあります。」と8月9日付け文書でご報告申しあげました。しかし、破産管財人による清算後の損金は当初の予想を上回る金額でした。その理由は、6~7月の会員からの振込金額が見積より約210万円多かったこと、論文誌発行を継続するため未払いになっていた製本印刷費約90万円を学会が支払ったこと、支部交付金への未送金35万円があったことのためです。その結果、日本学会事務センターへの債務(未払い業務委託費85万円)と相殺しても当初の見積を上回る上記の金額が損金になったのです。
 この学会預け金制度は日本学会事務センター発足当初からのシステムであり、当学会と日本学会事務センターとの契約書にもその旨が記されています。このシステムは効率的ではありますが、日本学会事務センターの財務状況が悪化すると回収できなくなるという重大な欠陥がありました。そのため、効率性を多少犠牲にしても「学会の資産は学会名義の口座で厳重に管理する」という原則を貫くことのできる資産管理システムへ大幅に変更致しました。

健全で透明性ある事務局再建に向けて

 日本学会事務センターの破産は、当学会の事務局が突然なくなるという緊急事態を招き、会員の皆様には、ご不安とご心配をおかけ致しました。日本学会事務センターが破産して初めて、関係各位から旧事務局時代に生じたクレームやご意見が寄せられ、多くの未解決の問題が判明致しました。
 理事会では、これらの一つひとつに誠意をもって対応し、解決して参りました。こうして、「破産」から9ヶ月間の事務局再建の途上で、学会の抱えている問題点の全貌を把握し、事務局業務を全面的に見直し、事務局を根本から立て直す努力を重ねてまいりました。幸いにして、理解ある学会事務受託会社と契約し、誠実で献身的な事務局員を得ることができ、現在は事務局業務の正常化に向けて邁進しております。  学会資産の管理システムを根本的に変え、事務局業務を全面的に見直しましたので、事務局再建にはまだ1年以上かかります。その間、さまざまなトラブルを経験することは避けられません。
 理事会では、2年前に制定された日本経営工学会倫理規範に則り、学会の社会的責任を自覚し、公正で透明な学会運営に努め、学会活動の一層の活性化を図ってまいる所存です。
 会員の皆様には、ぜひとも学会を取り巻く諸事情をご理解頂き、健全で透明な事務局を1日も早く再建し、学会活動をより活性化させるため、ご協力を賜りますよう切にお願い申しあげます。

以上